【はじめに】 真空脱泡に必要性がでてきた要因としては、フィルム、シート、成型などが合成樹脂で製造されているに至ったことが上げられます。 真空脱泡とは、真空中に樹脂液を封入してその中に含まれる空気を除くことをいいます。その結果、ピンホール、ブローホールが除去され、完成されたフィルムやシート、成型品ができあがります。 しかし現在、種々の問題点が掲示されてきました。それは、脱泡とは樹脂液中に含まれる気体を取り除く作業ですが、微細な混入気体となる樹脂と一体化されていて細胞状態をなし、これが製品となる前、熱処理されるとき集合してピンホール、ブローホールを造ることになります。そのため脱気→脱泡→脱胞順に完成度が移ります。 @ 脱気は樹脂液の表面張力を破るに至らず、樹脂液中に含まれる気体を取り除くことよりも、 表面上及び空間を真空にするに止まる。 A 脱泡は2次的に混入する気体を除くが、微細な細胞状気体まで取り除くに至らないものをいう。 B 脱胞(*)とは一応完成されたものをいい、特に細胞状気体までも処理されたものを指す。 (*)現在では脱泡と脱胞を区別しないのが一般的で、当社でも「脱泡」で統一しております。 この他にも混錬の問題、レジンと溶剤の化学変化、安定剤の使い方などがあります。現段階におきましては種々の問題点をかかえ、いまだ未完成のまま各ユーザーが試行錯誤の状態で製品化しているのが現状です。